あなたはこんな悩みを持っていませんか。
- 理想の枕の高さを知りたい
- 高すぎる枕は体に悪いの?
- 自分の枕の高さが高いのか低いのかわからない
この記事では、理想の枕の高さの調べ方や調整方法を紹介しています。
また、高め・低めの枕のメリットやデメリットについても解説しているので参考にしてください。
1.高めの枕のメリット・デメリット
まずは高めの枕のメリット・デメリットを紹介します。
1-1.高めの枕のメリット
高めの枕には次の2つのメリットがあります。
- 頭に血がのぼりにくい
- 猫背でも楽に眠れる
高めの枕を使うと心臓より頭の位置が高くなり、頭にのぼっていた血が下がります。
これによって高血圧による頭痛や肩こりが和らいで、寝入りに心地良く感じることがあります。
ただし高すぎる枕は熟睡の妨げになり、高血圧の悪化にもつながるため注意が必要です。
また猫背の人は背中が丸いため、低い枕を使うと頭の位置が下がって、首が後ろに反るような体勢になり、首の神経が圧迫されてしまいます。
まずは高めの枕を使って、猫背が改善されてきたら徐々に枕を低くしていくのがおすすめです。
1-2.高めの枕のデメリット
高すぎる枕の主なデメリットは次の3つです。
- 前屈みの姿勢になる
- 頸椎が圧迫される
- 首の筋肉の緊張が続く
これらのデメリットにより、次のような様々な不調が生じることがあります。
肩こりや首こり
高い枕により後頭部が押され続け、前屈みの姿勢になることで、頸椎の神経が圧迫されて、首こりや肩こりが起こります。
無理な姿勢を取ることで首の筋肉が緊張し続け、血行が悪くなることも原因の一つです。
頭痛や目の奥の痛み
第一頸椎と第二頸椎の間から後頭部へ伸びている大後頭神経は、顔の前面の三叉神経とつながっています。
そのため頸神経が圧迫されると、頭痛が起こるとともに、目の奥の痛みや顔のしびれが生じることもあります。
腰痛
首の筋肉が過度に緊張し続けることで、つながりのある胸椎や腰椎にも負担がかかり腰痛が起こります。
腰痛の他にも、指先のしびれやあご、耳の痛みなどの症状も、首が原因で起こることがわかっています。
いびき・睡眠時無呼吸症候群
高い枕を使うと首が前屈した状態になり、頸椎の前を通る気管が圧迫されて狭くなります。
空気が通りにくくなることで、軟口蓋が強く振動して、いびきをかきやすくなってしまいます。
悪化すると、睡眠時無呼吸症候群になってしまうため注意が必要です。
高血圧の悪化
高めの枕により頸椎が圧迫され交感神経が緊張しすると、血管が収縮し血圧が上昇してしまいます。
この状態が続けば、高血圧が悪化してしまう可能性があります。
猫背の悪化
重力の影響を受けずに背骨を伸ばせるのは、寝ている時だけです。
枕が高すぎると寝ている時も猫背の姿勢がそのまま保たれるため、猫背が治らず悪化することもあります。
首のしわ
枕が高すぎると、首が前屈した状態になります。
これにより首の前面に横向きのシワができてしまいます。
ストレートネック
ストレートネックとは前傾姿勢を取り続けることで、首まわりの筋肉が固まって頸椎がまっすぐになった状態です。
枕が高いと前傾姿勢になりやすく、ストレートネックの悪化にもつながります。
睡眠の質が低下する
高い枕は頸神経が圧迫され、交感神経の働きが活発になります。
寝ている間に交感神経が活発になると休むことができず、眠りが浅くなってしまいます。
睡眠の質が低下することで自律神経が乱れ、イライラや疲れ、うつ病などの原因にもなります。
2.低めの枕のメリット・デメリット
次に低めの枕のメリットとデメリットを紹介します。
2-1.低めの枕のメリット
「タオルを重ねて理想の高さに調整できる」のが、低めの枕を使うメリットです。
使い始めてから枕が低すぎたと感じたら、「5.理想の枕の高さの調べ方・調整方法」を参考にタオルを重ねて自分に合う高さに調整しましょう。
2-2.低めの枕のデメリット
低すぎる枕の主なデメリットは次の3つです。
- 頭が下がって首が後ろに反る
- 心臓よりも頭の高さが低くなる
- 首の筋肉の緊張が続く
これらのデメリットにより、次のような様々な不調が生じることがあります。
肩こりや首こり
枕が低すぎると首をしっかり支えられず、脊椎が伸びて首の筋肉が縮まった状態になります。
これにより首から肩にかけての血流が悪くなることで、肩こりや首こりが起こります。
頭痛
枕が低いと頭が心臓よりも低くなり、脳に血液が溜まって眠りが浅くなってしまいます。
深い眠りが得られないことで、朝起きた時に頭が重く鈍い痛みを感じやすくなります。
腰痛
低い枕を使うと頭が下がって、後ろに反ったようになり頸神経が圧迫されます。
首と腰はつながっているため、首の不調が腰痛として現れてしまいます。
めまい
めまいは、耳石器の中にある耳石が剥がれて、三半規管に入り込むことで生じます。
低い枕を使うと耳石器と三半規管が水平になり、めまいが起こるリスクが高くなってしまいます。
むくみ
枕が低いと頭が心臓より低くなり、頭に血がのぼった状態になります。
脳に血液が溜まることで、顔がむくみやすくなってしまいます。
首のしわ
低すぎる枕を使うと、首が後ろに反った状態になります。
これが続くと首の後ろ側に横向きのシワができてしまいます。
寝つきが悪くなり深い眠りが得られない
頭が下がった状態になると、脳に血が溜まって寝つきが悪くなります。
深い睡眠が得られないため、目覚めが悪く、頭もすっきりしません。
いびき
枕が低いとあごが上がって、口が開き口呼吸になってしまいます。
口呼吸になると舌が喉の奥に落ちて、気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。
3.枕の理想の高さは?
理想の枕の高さは、「頸椎に負担をかけない高さ」です。
高さの目安は男性と女性で以下のように異なります。
男性と女性の理想の枕の高さ
男性 | 女性 | |
---|---|---|
後頭部 | 5~6㎝ | 3~4㎝ |
首に当たる部分 | 7~8㎝ | 5~6㎝ |
※参考:「合わない枕は病気をつくる」P.125~126
理想の枕の高さは、体格だけでなく敷布団やマットレスの硬さにも左右されます。
寝具によっては、体の沈み込み具合は1~4㎝も違います。
この機会に普段使っている布団やマットレスに寝ころんで、枕の高さが合っているかを調べてみましょう。
4.枕が自分にとって高いのか、低いのかの判定方法
今使っている枕の高さが合っているかどうかは、以下の手順で調べることができます。
- 横向きに寝て、頭・鼻・胸を直線で結んだ線が、寝具と並行になっているかを確認する。
- 仰向けに寝て喉や首に圧迫感を感じず、首や肩にも力が入っていないかを確認する。
自撮り棒を使ってスマホで撮影したり、鏡を使ったりすれば、1人でも簡単に確認できます。
天上を見上げた際に、目線が垂直より少し下にあるのが理想です。
目線が下を向いている場合は枕が高すぎ、上を向いている場合は枕が低すぎると考えられます。
枕は高すぎても低すぎても、肩こりや首こり、頭痛、いびきなどの原因になります。
少しでも違和感があれば、自分にとって理想の枕の高さを調べてみましょう。
5.理想の枕の高さの調べ方・調整方法
自分にとって理想の枕の高さは、以下の方法で調べることができます。
- 玄関マットまたはかための座布団(厚みが3~4㎝)
- 幅50㎝以上のバスタオルやタオルケット
- 普段使っている寝具に三つ折りにした玄関マットまたはかための座布団を置く。
- ①の上に折りたたんだタオルを枕の角が直角になるように置く。
- 横向きに寝て、腕を胸の前でクロスする。
- 頭・鼻・胸を直線で結んだ線が、寝具と並行になっているかを確認する。
- 首が上がっている場合はタオルを減らす、首が下がっている場合はタオルを増やして高さを調整する。
- 仰向けに寝て喉や首に圧迫感がなく、快適な高さに調整する。
- 左右にスムーズに寝返りができるかを確認する。
- 枕の高さを測れば理想の高さがわかります。
④の確認は、誰かに頼むとスムーズに行えます。
自分で確認する場合は、大きめの鏡を使いましょう。
また仰向けに寝た姿勢では、寝具の平行面と首の角度が15度前後になっているのが理想です。
この角度を保つことができれば、頸椎の中の神経が圧迫されないことがMRI調査でも実証されています。
可能であればスマホで撮影して、首の角度が15度前後になっているかを確認しておくようにしましょう。
6.理想の高さの枕の選び方
理想の高さの枕は、次のどちらかの方法で選ぶのがおすすめです。
- 寝具店で理想の高さの枕をオーダーメイドする
- 高さを調整できる枕を購入する
それぞれのメリット・デメリットを比較して、自分に合う方法を選びましょう。
6-1.寝具店で理想の高さの枕をオーダーメイドする
寝具店のオーダーメイド枕には次のようなメリット・デメリットがあります。
- 専門の測定器を使って理想の高さの枕に調整してもらえる
- 完成した枕の寝心地をその場で確認できる
- 無料で高さ調整をしてもられる寝具店がほとんど
- 寝具を変えると合わないことがある
- メンテナンスに通う必要がある
寝具店では専門の測定器を使って、自分に合う高さの枕を作ってもらえます。
また枕が完成したら、寝具店のベッドを使って寝心地を確認することもできます。
ただし寝具店のベッドではちょうど良い高さでも、自宅に帰って寝てみると、合わないと感じる可能性もあります。
高さの調整は無料でしてもらえることがほとんどですが、期間が決まっていることもあるので、念のため確認しておきましょう。
6-2.高さを調整できる枕を購入する
高さを調整できる枕には次のようなメリット・デメリットがあります。
- 普段使っている寝具に合わせて枕の高さを調整できる
- いつでも自由に高さを調整できる
- メーカーによっては返金保証が付いている枕もある
- 自分で調整しなければならない
このタイプの枕は通販で販売されています。
自分で調整できるので、実際に寝てみて高さを合わせることができます。
また体型が変わっても、自分で枕の高さを調整できるので安心です。
合うかどうかが心配な場合は、返金保証付きの枕を選んでおきましょう。
7.まとめ
理想の枕の高さは次の2つがポイントになります。
- 横向きに寝た時に頭・鼻・胸が寝具と平行になる
- 仰向けに寝た時は寝具の平行面と首の角度が15度前後
理想の枕の高さは、体格や普段使っている寝具によっても異なります。
次のどちらかを活用して、自分に合う高さの枕を見つけましょう。
- 寝具店で理想の高さの枕をオーダーメイドする
- 高さを調整できる枕を購入する
おすすめの枕についての詳しい情報は、こちらのページをご覧ください。
- おすすめの高反発枕と選び方
- おすすめのオーダーメイド枕と選び方
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