こんにちは!とみえみさとです。
突然ですが、あなたは前屈をした時、床に手がつきますか?
床に手がつかない人は、下半身の筋肉が硬くなっている可能性があります。
しかし、柔軟性を向上させるストレッチを行えば、床に手が付かない人でも下半身の硬さを改善させることができるのです。
体が柔らかくなれば、血行改善やケガ防止などの効果が期待できます。
また、自然と姿勢が改善し、姿勢の悪さが原因で起こる腰痛を緩和させることも可能です。
今回は、下半身を柔らかくするストレッチを日本体育協会公認アスレティックトレーナーの古川さんにうかがいました。
取材協力 | |
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古川佳奈 日本体育協会公認アスレティックトレーナー 鍼灸師 |
これから紹介するストレッチで硬い体を気持ちよく伸ばし、前屈で手のひらが床につくくらい体を柔らかくしていきましょう。
目次
前屈が楽になるストレッチ8選
古川さん、本日はよろしくお願いします。
早速ですが、前屈が楽に行えるようになるためのストレッチを教えていただけますか?
はい、前屈が楽にできるようになるには、下半身の裏側全体の筋肉を柔らかくする必要があります。
「体が硬くて、前屈しても指先が床につかない・・・」という経験はありませんか?
前屈で手が伸びない原因の一つに、お尻・太もも・ふくらはぎの筋肉の硬さが挙げられます。
私はびっくりするぐらい体が硬いので、前屈しても手は床どころか足にも届きません・・・。
これは下半身の裏全体の筋肉がカッチカチになっているからなんですね。
そうなんです。各部位の筋肉を伸ばし、前屈して手のひらが床につくほどの体の柔らかさを目指しましょう。
太ももの筋肉を伸ばすストレッチ
太ももの裏側を伸ばすストレッチを立ち姿勢、寝姿勢の2種類紹介します。
どちらも同じ部位を伸ばすストレッチで効果も同程度なので、行いやすい方を実践してみてください。
1.太ももを伸ばすストレッチ(立ち姿勢)
太もも裏の筋肉を伸ばして、柔らかくするストレッチ。
場所を取らないので、自宅以外でも実践できる。
1.しゃがんだ状態で足首をつかみます。
2.足首を掴んだまま、ゆっくりと立ちます。
3.太ももの筋肉が伸びたところで10秒キープします。
4.このストレッチを3回繰り返します。
太ももの裏側が伸びている感覚はありますか?あれば、正しいストレッチが行えています。
太ももの裏がピーンと張っている感じがしますね。立って行えるので、自宅以外でも簡単に取り入れることができそうです!
2.太ももを伸ばすストレッチ(寝姿勢)
太もも裏の筋肉を伸ばして、柔らかくするストレッチ。
寝そべった状態で行えるため、自宅でのストレッチにおすすめ。
1.仰向けに寝ます。
2.ひざの裏を抱え、上半身へと引き寄せます。
3.膝裏を抱えたまま、ひざを伸ばします。
4.この状態を30秒キープします。
5.反対側の足も同様に行います。
太ももを伸ばすストレッチは寝ながらでも行えます。こちらは自宅のベッドなどでリラックスしながら行ってください。
寝る前のストレッチに良いですね。1日の疲れでカチカチになった太ももの筋肉も、気持ちよく伸ばせそうです。
お尻の筋肉を伸ばすストレッチ
お尻の筋肉=臀筋(でんきん)を伸ばすストレッチを寝姿勢・座り姿勢の2種類紹介します。
効果は同程度ですので、場所によってトレーニングしやすい方を取り入れてみてください。
3.臀筋を伸ばすストレッチ(寝姿勢)
お尻の筋肉を伸ばして、柔らかくするストレッチ。
自宅でリラックスしながら行える。
1.仰向けに寝ます。
2.右足の外くるぶしを左ひざに乗せます。
3.左足のひざ裏を両手で持ち、上半身に引き寄せます。
4.この状態を30秒キープします。
5.反対側の足も同様に行います。
普段は使わなさそうな筋肉が伸びている感じがします。
確かに、お尻の筋肉は普段動かす機会が少ないため、硬くなっている人が多い部位だと考えられます。
そのため、毎日のストレッチで定期的に伸ばしておくことがおすすめです。
4.臀筋を伸ばすストレッチ(座姿勢)
お尻の筋肉を伸ばして、柔らかくするストレッチ。
椅子に座りながらできるため、デスクワーカーにおすすめ。
1.椅子に座った状態で、右足首を左の太ももに乗せます。
2.上半身を前へゆっくり倒します。
3.この状態を30秒キープします。
このストレッチは座りながら行うため、自宅以外でも手軽にお尻の筋肉を伸ばすことができます。
できそうであれば、デスクワークの合間にぜひ取り入れてみてください。
これ、仕事の休憩時間にやるとすごく気持ち良いです。周りの目が気にならないようであればぜひ!
ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチ
ふくらはぎの筋肉には、外側上部にある腓腹(ひふく)筋、内側下部にあるヒラメ筋の2種類あります。
ふくらはぎの筋肉を柔らかくするには、腓腹筋・ヒラメ筋両方の筋肉を伸ばすストレッチが必要です。
腓腹筋を伸ばすストレッチを立ち姿勢・座り姿勢の2種類、ヒラメ筋を伸ばすストレッチを1種類紹介します。
5.腓腹筋を伸ばすストレッチ(立姿勢)
腓腹筋を伸ばして、ふくらはぎの筋肉を柔らかくするストレッチ。
1.立った状態で、足を前後に開きます。
2.前足に体重をかけます。(この時、後ろのかかとは浮かないように!)
3.この状態を30秒キープします。
腓腹筋は、アキレス腱とつながっているふくらはぎの筋肉です。
アキレス腱を伸ばすことで、腓腹筋も一緒に伸ばすことができます。
6.腓腹筋を伸ばすストレッチ(座姿勢)
ふくらはぎの腓腹筋を伸ばして柔らかくするストレッチ。
椅子に座りながらできるため、デスクワーカーの方におすすめ。
1.椅子に座った状態で、右手で右足の指を持ちます。持てない場合は足首でも大丈夫です。
2.右足のつま先を自分の方向に反らせます。
3.この状態を30秒キープします。
このストレッチは、つま先を反らせるのがポイントです。
つま先が反ることで、腓腹筋をピンと伸ばすことができます。
これなら仕事中でもこっそりできますね。
はい、長時間のデスクワークでだるくなった脚をすっきりさせたい時にもおすすめです。
5と6のストレッチは同じ目的なので、お好きな方を選んで取り入れてみてください。
7.ヒラメ筋を伸ばすストレッチ
ヒラメ筋を伸ばして、ふくらはぎの筋肉を柔らかくするストレッチ。
1.足を軽く前後に開けます。
2.しゃがむように両ひざを曲げます。
3.この状態で30秒キープします。
こちらのストレッチを行うと、ふくらはぎの下の部分が伸びている感覚がするのではないでしょうか。
この部分がヒラメ筋と呼ばれる部位です。
腓腹筋とヒラメ筋の両方の筋肉を伸ばすことによって、ふくらはぎ全体の柔軟性を高める効果が期待できます。
お尻、太もも、ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチ
最後に、下半身全体の筋肉を伸ばすストレッチを紹介します。
これから紹介するストレッチはパートナーと2人で行います。
お尻、太もも、ふくらはぎを1部位ずつ伸ばしていくのが面倒な人におすすめです。
8.2人で足全体を伸ばすストレッチ
後ろの下半身全体の筋肉(お尻、太もも、ふくらはぎ)を伸ばして、柔らかくするストレッチ。
1.両手、両足を前に伸ばしながら座ります。
2.パートナーは後ろから背中を5秒間押します。この時、ストレッチを行っている人はパートナーの力に逆らって後ろに起き上がるようにしてください。
3.このストレッチを3回~5回連続して行います。
お!!何度か背中を押してもらうと少しずつ手が奥まで行くようになりました。しかも簡単ですね!
下半身の柔軟性を高めるには、お尻・太もも・ふくらはぎ、それぞれの部位を伸ばすためのストレッチが複数必要です。
しかし、このストレッチならお尻・太もも・ふくらはぎ全体の筋肉を伸ばすことができるため、時間が無い方でも手軽に取り入れられます。
パートナーの方は、無理に背中を押しすぎないよう注意してください。
ストレッチを行う時の注意点
先ほどご紹介いただいたストレッチを実践する際の注意点を教えていただけますか?
はい、ストレッチを行う時の注意点は3つあります。
筋肉痛の時はストレッチのやりすぎに注意
筋肉痛の時は、ストレッチを休むか無理のない程度に抑えておきましょう。
筋肉痛は、筋肉の使いすぎなどが原因で、組織が一部破壊されている恐れがあります。
この状態で筋肉を伸ばしすぎると、痛みが悪化してしまう可能性があります。
筋肉痛を感じる時は、痛みが出る手前で止めるよう、伸ばし具合を加減するようにしてください。
ストレッチは必ず呼吸をしながら行う
ストレッチをする時、呼吸を止めてしまう人が多いのですが、呼吸は絶対に止めずに行ってください。
呼吸を止めてしまうと、酸素が体に行き渡らなくなり、筋肉が伸びにくくなってしまいます。
筋肉を伸ばす時は、ゆっくり呼吸をしながら行いましょう。
伸ばすのは気持ち良い程度で行う
ストレッチを行う時は、伸ばしすぎに注意してください。
筋肉には、損傷しないように自らを収縮させて身を守る伸張反射という性質があります。
痛いくらい伸ばし過ぎてしまうと、伸張反射が起こりストレッチの効果が出しにくくなるので、伸張反射が出ない程度にゆっくりじんわり気持ちいい程度に伸ばすのが効果的です。
体が柔らかくなることで得られる効果
体が柔らかくなるとどんな良いことがありますか?
ストレッチで体を柔らかくすると、こんな効果があります。
・姿勢の改善による腰痛改善
・ケガの可能性を未然に防ぐ効果が期待できる
・疲労の溜まりやすさが改善される
太もも周りの筋肉の多くは、股関節を形成する骨のひとつである、骨盤に付着しています。
太ももの筋肉の柔軟性に左右、あるいは前後で差があると、その筋肉が骨盤を過剰にひっぱってしまい、骨盤のゆがみにつながるのです。
ストレッチで太ももの筋肉の硬さを和らげることで、骨盤のゆがみが改善します。
また、ゆがみが原因で起こる反り腰や猫背の姿勢改善にも効果が期待できます。
さらに、硬くなった筋肉が柔らかくなると、血行が改善し、溜まりやすくなった疲労を和らげることも可能です。
ストレッチの効果は、ケガの防止だけではないんですね!これから健康のためにも毎日取り入れたいです。
体が硬くなってしまう原因
体はなぜ硬くなってしまうんですか?
体が硬くなってしまう原因の一つに、生まれ持った体質によるものがあります。
生まれつきの体の柔らかさ・硬さは、筋肉が骨に付着している部分のコラーゲン量が関係しているのです。
生まれつき体が硬い人は、コラーゲン量が多い傾向が見られます。
しかし、元々体が硬い人でもトレーニングで体の硬さを改善することが可能です。
なるほど・・・
逆に、生まれつき体が柔らかい人でも、体を動かす習慣が不足すると体が硬くなってしまう可能性があります。
運動不足や血行不良も、体を硬くしてしまう原因の一つです。
やはり運動不足は体を硬くしてしまいやすいんですね。
体を柔らかくするには?
では、体を柔らかくするための対策方法を教えていただけますか?
体を柔らかくするには、普段から体を動かすくせをつけておくことが大切です。
通勤ではエレベーターやエスカレーターを使わず階段を使うなど、小さなことで構いません。
毎日少しでも体を動かす習慣をつけておくだけで、体の硬さを改善することができます。
もっと体を柔らかくしたい人のための上級者向けストレッチ
前屈が楽にできるようになったら、内ももや肩まわりの筋肉も伸ばして、180°開脚や後ろで手が組めるようになるぐらいの柔軟性を目指してみましょう。
そこで、180°開脚を目指す内もものストレッチと、手を後ろで組みやすくなる肩甲骨まわりのストレッチを紹介します。
【番外編1】180°ペタッと開脚を目指すストレッチ
左右の脚を180°に開けるぐらい体を柔らかくしてみませんか?
180°開脚って夢のまた夢なんですけど…。
180°開脚をしやすくするには、内ももの筋肉を柔らかくする必要があります。内ももを伸ばすストレッチを毎日3分行うことで、内ももの筋肉が柔らかくなり、脚が左右に開きやすくなります。
番外編1-1.内ももの筋肉を伸ばすストレッチ
内もも(内転筋)を伸ばして、柔らかくする。
1人で簡単に行えるストレッチ。
1.あぐらをかくようにして座ります。
2.両足裏を合わせて、かかとを手前に引き寄せます。
3.背筋を伸ばしながら上体を前へゆっくり倒しながら30秒キープします。
4.1~3を1日2、3回無理のない程度に行ってください。
このストレッチを行うと、内ももの筋肉がピンと伸びる感覚がします。
上体を前に倒す時に、背中を丸めてしまうと効果が薄くなってしまうので注意してください。
すぐに効果は出てこないかもしれませんが、毎日続けることで開脚がだんだん楽になるはずです。
番外編1-2.2人で行う内ももの筋肉を伸ばすストレッチ
内もも(内転筋)を伸ばして、柔らかくする。
より即効性のあるストレッチを行う。
1.あぐらをかくようにして座ります。
2.両足裏を合わせて、かかとを手前に引き寄せます。
3.パートナーの方に、5秒間背中を押してもらいます。この時、ストレッチを行っている人はパートナーの力に逆らって後ろに起き上がるようにしてください。
4.このストレッチを3回~5回連続して行います。
こっちのストレッチの方が、内ももの筋肉が伸びている感じがします!
そうですね、こちらは1人で行うストレッチよりも即効性が期待できるため、パートナーの方がいれば2人で行うのがおすすめです。
パートナーの方は、強い力で背中を押しすぎないよう注意してください。
【番外編2】手が後ろで組める!?肩甲骨まわりのストレッチ
右手を上から、左手を下から後ろに回してみてください。両手は組めますか?
ギリギリ指が触れるか触れないか…ぐらいですね。
後ろに手を回しても両指が触れられない人は、肩甲骨周りの筋肉が硬く、肩甲骨の可動域が狭くなっている可能性があります。
肩まわりの筋肉が硬い人でも、後ろで両手が組みやすくなるストレッチをお教えします。
番外編2-1.肩甲骨周りの筋肉を伸ばすストレッチ
肩甲骨周辺の硬い筋肉を伸ばし、柔らかくするストレッチ。
1.両手を組みます。
2.組んだ両手を前へ突き出します。この時、肩甲骨を左右に離すイメージで伸ばしてください。
3.この状態を30秒キープします。
このストレッチを行うと、肩周りの血行が良くなり、肩こりの改善も期待できます。
肩そのものに力が入りがちになりますが、あくまでも肩甲骨を意識してストレッチを行ってください。
番外編2-2.肩甲骨の可動域を広げるストレッチ
肩甲骨を左右に離す・近づけるストレッチ。
肩甲骨の可動域を広げる効果が期待できる。
1.両手を前に出し、ひじから先をぴたっとくっつけます。この時、背中を丸めるように意識してください。
2.くっつけた手を左右に開きます。ひじは床と並行になるようにしてください。
3.この動きを5回ずつ繰り返します。
このストレッチを行う時は、肩甲骨の位置を意識しながら行いましょう。
ひじをくっつけた時は肩甲骨を左右に開くイメージ、ひじを開いた時は左右の肩甲骨をくっつけるようなイメージです。
このストレッチによって、肩甲骨の動きがよくなり、手が後ろで組みやすくなります。
まとめ
【紹介したトレーニング】
1.太ももを伸ばすストレッチ(立姿勢)
2.太ももを伸ばすストレッチ(寝姿勢)
3.臀筋を伸ばすストレッチ(寝姿勢)
4.臀筋を伸ばすストレッチ(座姿勢)
5.腓腹筋を伸ばすストレッチ(立姿勢)
6.腓腹筋を伸ばすストレッチ(座姿勢)
7.ヒラメ筋を伸ばすストレッチ
8.2人で足全体を伸ばすストレッチ
今回トレーナーの方からお聞きしたストレッチなら、お尻・太もも・ふくらはぎの硬い筋肉を伸ばし、体を柔らかく改善することができます。
下半身全体の筋肉が柔らかくなると、腰痛や姿勢改善の効果が期待できます。
紹介したストレッチで、太もも・お尻・ふくらはぎの筋肉を気持ちよく伸ばし、手のひらが床につくような高い柔軟性を目指しましょう。
取材にご協力いただいた古川さん、ありがとうございました!
この記事を書いた人 | |
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とみえ みさと 22歳、滋賀県出身 滋賀を愛し、滋賀に愛されたライター。 ストレッチ、ダイエット、レシピ、お出かけ情報の記事を中心に書いています。 |
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